世の中にはwebに関連する仕事が数多くありますが、その中でもwebコンサルは具体的にどのような仕事をするのかご存じではない方も多いのではないでしょうか。
今回はwebコンサルの具体的な仕事内容や求められるスキルなどを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
webコンサルはどんな仕事をするか
webコンサルの仕事は、いってしまえばとてもシンプルです。
それはインターネットを利用してクライアントの収益を上げ、ビジネス支援をおこなうことです。
ウェブで売上と利益を生み出すためには、まずサイトを制作し、そこにSEOやリスティングなどの運用で集客をおこない、改善していく必要があります。
また、SNS全盛期の現在、企業アカウントで情報を発信し、投稿することで、クライアントの固定ファンを育てたり、商品やサービスを世界に広く届けたりすることもメイン業務といえます。
そのためにはクライアントのウェブ広告ほかの施策を分析し、課題を発見して改善のための施策を立案し、それを実行するところまで視野に入れる必要があります。
クライアントのUSP(ユニークセールスプロポジション:独特の強みや売り)を発掘して、それを引き出すサイトを企画しなければなりません。
商品やサービスを深く理解することはもちろん、業界の構図や競合他社をしっかりと調査し、どこにユーザーのニーズが集まっているかを把握することも重要です。
ポジションがブレないSEO設計をおこない、ランディングページなど、各ページに必要な要素をしっかり織り込んだサイトは、自ずと多くの人の目を集めることになります。
こうした一連の仕事を実行したり、クライアントへアドバイスしたりすることで、ビジネス全体をサポートするのがwebコンサルの仕事内容です。
webコンサルは何をモチベーションにすべきか
webコンサルとして活躍するのであれば、もっとも高いモチベーションを、クライアントのために据えなければなりません。それはズバリ、クライアントの収益アップであり、実施するすべての業務は相手のために成果を出す必要があります。
何より重要なのは信頼関係ですが、これは単に、仲がよければよいということではありません。
ビジネスにおいて良好な関係というのは、売上が上がり、利益を確保できるビジネスの成功があって初めて成り立つことは、いうまでもないからです。
相手の成功が自分の成功となるのがコンサルの仕事であり、そこに軸足を置くことが何より重要です。
ウェブマーケティングは適切におこなえば、さほどコストをかけずスピーディに成果を得ることが可能ですから、クライアントの経営の根幹に、ダイレクトに関わる仕事となるでしょう。
ただし結果が数字としてあらわれる以上、かなりシビアな仕事でもあります。
目標を遥かに上回る数字を叩き出し、クライアントとともに喜びあうことを最大のモチベーションとして業務にあたる必要があるでしょう。
webコンサルの仕事をフェーズで解説
それではwebコンサルの仕事を、依頼時から各フェーズにわけて解説します。
詳細はケースバイケースで変わりますが、一般的な3つのフェーズで説明していきましょう。
フェーズ1:サイト制作
USPの発掘が、最初の重要課題です。
競合にないユニークな強みを見つけ、それをユーザーのニーズに合うよう、サイトを構成しなければなりません。
クライアントがどのような事業をおこなっているのか、どのような商品やサービスを提供しているのか、またはしたいのかを深く理解し、業界分析や調査をおこないます。
USPが発掘できたらポジションが定まりますので、ここからがSEO設計です。
コンサルの立場だけなら実際の作業についてはアドバイスや方針決定をおこなう支援になりますが、中には、実制作まで請け負うところもあります。
実際にはポジション決定までが至難の業のため、一度ポジションや方針が定まれば、あとは骨子にそって制作作業を進めるだけになるでしょう。
フェーズ2:サイト集客
サイトができれば、当然次は集客です。
来訪者を増やすためにはSEO対策やコンテンツマーケティングが必須ですし、リスティング広告やFacebook広告、リマーケティング広告など、広告を駆使する必要があります。
実は業態にもよりますが、サイト集客の手法は、インターネット上での活動に限られるわけではありません。場合によっては、従来どおり紙媒体による広告やDMなども駆使し、効果的な集客を企画することが重要です。
コンサルとしてのポイントは、SEOや広告にはコストがかかることを意識することです。イニシャルのみならずランニングコストもかかるため、常に費用対効果を計算し続けなければなりません。
重要なのはLTV(ライフタイムバリュー:生涯顧客価値)や、目標CPA(コストパーアクション:成約ひとつつあたりにかかるコスト)です。
単に人を集めるのが集客ではなく、収益アップにつながる人を集めるのが集客だと認識することが重要です。
フェーズ3:コンバージョンに合致する改善
改善を実施するには、Googleアナリティクスなどの分析ツールを活用し、PDCAやOODAループを回しながら、成果の出せる状況を把握する必要があります。
さまざまな角度からサイトを分析し、あらゆる改善点を探し出すことも、コンサルの重要な仕事です。よりよい施策がどれかを知るためにはテストを実施し、結果の出たプランを正式に実施するのが一般的です。
ビジネス支援である以上、KPIポイントを決定し、数値がよくなるような改善を実施することが求められます。
webコンサルに求められる5つのスキル
実力あるwebコンサルは、さまざまな企業から非常に高いニーズのある存在です。そんなwebコンサルに必要とされる5つのスキルを紹介します。
ビジネスセンス
サイトの制作や運営がメインだからといって、設計専門のエンジニアとしてのスキルを求められるばかりとは限りません。もっとも必要で重要とされるのは、当然のことながら、ビジネスセンスです。
シンプルにいってしまえば、「いかに売上げるか」が最大の目的ですので、ウェブを駆使してどのようにマーケティングすれば商売が成功するかを知っている必要があります。
もちろん論理思考能力や発想力も必須ですが、結局は商売のセンスがないと、事業では儲けられません。
知識があっても机上の空論では意味がありませんし、施策がある程度効果を発揮し、昨対が多少上がったとしても、目標の儲けがなければ、失敗と判断されます。事業者として利益追求できるか、そのセンスが問われる職業だといえるでしょう。
感覚より数字を重視し、経営経験や事業経験のある人材なら向くでしょう。
リサーチ力
マーケットを知り、クライアントの商品やサービスを知ることがもっとも重要ですが、市場分析や口コミの検索、ターゲット層へのインタビューなど、あらゆる方法でリサーチするスキルが必要です。
ニーズを掘り出す情報収集法は実にたくさんありますが、肝心なのは、きちんとターゲットと合っている層から情報を得ることです。
当然ながらターゲットの認識を間違えたリサーチでは、間違った結論しか出てきません。
どれだけ正確に、どれだけ幅広くリサーチをおこなえるかは一人ひとりの腕にかかってきますし、時間をかけてタイミングを逸することはできませんので、スピード勝負も必要です。
販売ページや広告の課題発見は基本的な業務であり腕の見せ所ですので、ここに長けている人は適性があります。
広告の成果は数値ではっきり出てきますので、悪化している要因を探し、ページ構成の見直しやコンテンツの刷新など、コツコツと対処している必要があります。
トレンドキャッチ力
ご存じのとおり、現在はトレンドの移り変わりがあまりに早く、最新情報を集めるだけでも多大な労力を要します。
広告媒体のアップデート情報は非常に重要ですし、世の中の話題を知り、人気のアプリを知り、人がいまどこを見ているかを常に見張っている必要があります。
とくにSNS全盛期ですから、トレンドに上がっているキーワードは押さえておかなければなりません。
シェア記事を読んだり、あらゆる方角にアンテナを張り巡らせたりすることで、常にトレンドをキャッチアップすることが苦ではない人が向くでしょう。
発想力
論理思考力は数値やマーケットを分析するうえで欠かせないスキルですが、それと同時に、柔軟な発想力をもつ人はなかなかいません。
論理の飛躍を起こさずにアイデア勝負ができることは大きな武器になりますが、両者を同時に実行するわけではないので、順序立てて考えれば、もちろん不可能ではありません。
アイデアは具体的に施策を考えるフェーズで必要となるため、その前段階で論理的な分析を実施できればよいわけです。論理思考力を磨きながら、発想する力も磨くことが理想といえるでしょう。
とくに競合との差別化を図るうえでは、よい打ち手の発想が必要とされます。
ただし、何もないところからよいアイデアが出ることはまずありません。日頃から常に、大量のインプットをおこなっておくことが重要です。
そうした意味では、発想力とトレンドキャッチ力はセットと考えてもよいでしょう。何気なく情報をキャッチしながら、これはクライアントに合いそうだなどと考えている人は、適性があります。
コミュニケーション力
一人でできる仕事ではありませんし、クライアントあっての仕事ですので、当然ながらコミュニケーションスキルは求められます。
コンサルの仕事はweb関連に限らず、クライアントの話を聞き、クライアントに提案を理解してもらわなければなりません。
また、市場の情報を集める際にも、なるべく多くの人の声を聞く姿勢が必要です。
このスキルがないと、いくら素晴らしい分析をして素晴らしい企画を立てても、誰からも賛同を得られず、お蔵入りとなってしまいます。
ただし、ビジネスでコミュニケーションをとることは、単におしゃべりをして仲良くふるまうこととはまったく異なります。相手の話を理解し、相手に伝わるように話すことが、実績につながるコミュニケーション力や説得力です。
webコンサルになるにはどのような経験が必要か
webコンサルは、そう名乗ってしまえばそうなるというのは、なんとも乱暴な言い方です。
実際にwebコンサルとして活動するには、まず自分自身でウェブサイトを企画運用し、広告や販売などで収益を上げる経験が必要です。
サイトで商品やサービスを販売したり、顧客からの問い合わせなどに対応したりすることは、クライアントの課題解決のためには必須の実績といえます。
人のために働く前に、まず自分の事業を作って運用するか、もしくは一定の裁量ある企業でディレクター経験を積むのが近道でしょう。
学校へ通って資格を取得するといった類ではなく、実務経験がものをいう職種であることは間違いありません。
実際に活躍しているコンサルでも、特別な資格のある人は多くありませんが、あって無駄になるものはないとしても、あれば活躍できるというものでもないのが事実です。
関連するものとしては、Google Analytics認定資格やGoogle Adwords認定資格、ウェブ解析士上級などがあります。
ただし、かなり幅広い知識を求められる職種でもあるため、広く捉えすぎると、どこから手をつければよいか皆目わからなくなってしまうでしょう。
自分が経験した職種があったり、培った知識や自信ある領域があったりするなら、そこに強みをもつのもおすすめです。ここだけは他者に負けないという強みは、武器になります。
まったく畑の違う商品やサービスでも、営業マンとして活動した経験があったり、経理など数字に強みがあったりすることは役立ちます。
実は同様の仕事で活躍している人のほとんどは、未経験からスタートしている職種でもあります。web業界と無関係だったことはマイナスにはならず、むしろプラスにもっていけるでしょう。
webコンサルは将来性ある仕事
webコンサルという名称でないとしても、同様の仕事の求人は多くあります。
この先の世界を考えても人の生活からwebがなくなることはなく、今後ますます発展していくことは予想に難くありません。
商品やサービスを販売する場が、もはや実店舗よりインターネット上のほうが多く占めるような企業も、ここ最近非常に増えました。
ここまでサイトが連立すると競合がすさまじくなり、事業者が生き残りをかけて、さまざまな策を講じる必要に迫られることは必至です。
そうした中、事業成功への正しい筋道を立てられる存在がどれだけ頼りにされるかは、考えるまでもないでしょう。
webコンサルのニーズは世界的に確実に高まっていますし、とくにマーケティングに関する分野は顕著です。
事業者にとってサイト運営はサービスや製品の認知向上ではなく、最終的には売上アップだということを理解したうえで、ビジネスをサポートできるのがコンサルです。
あらゆるツールや専門知識、ノウハウやテクニックを駆使しながら、ぜひwebの未来を切り拓けるプロフェッショナルになってください。