カウントリードでは、WebとAIの融合がもたらす未来というのを常日頃から考えているのですが、今回はChatGPTをWebサイトやWebサービスに組み込むことでどんなメリットをもたらすことができるのか考えていきたいと思います。
実際にカウントリードでも、WebチャットのChatGPT組み込みやLINEへの組み込み、既存Webサービスへの実装や、新規Webサービスでの活用など様々な相談を日々いただいております。
やはり各社さん様々な可能性を考えているようで、今日はその経験も交えながら記事を書いていきます。
1.まずは、ChatGPTの基本的な機能
記事を読まれるほとんどの方はご存知だと思いますが、まずは基本機能からおさらいします。
・自然な言語での対話が可能
ご存知の通りChatGPTは自然言語を理解して、自然言語を話すことができるAIです。テキスト入力に対して、人間らしい会話ができる対話AIです。質問に対する回答だけでなく、会話を引き出す追加の質問の生成や補完能力などにも長けています。
・多言語対応
ChatGPTは英語はもちろん、日本語を含む多言語での会話が可能です。しかも特に開発側は学習させることなく、ユーザーが「英語で話して」と言えば英語で返してくれます。
・継続的な学習
ChatGPTは絶えず新しいデータを学習し、能力がアップデートされ続けています。記事執筆時点で、ChatGPTの本家サービスでは下記のような機能がすでに実装されています。
- プラグイン(サードパーティ開発プラグインと連携できる)機能
- 画像生成機能
- 音声での会話(スマートフォン)
- 画像の読み取り
- ファイルの読み込み
- Webの情報へのアクセス(Bing経由) など
Webサービスに組み込む際はAPIでの機能提供が必要なので、上記全てを活用できるわけではありませんが、追って実装されていくと思います。
2.Webサービスへの実装メリット
- 人間らしい対応によるエンゲージメントの向上: ChatGPTをWebサービスに組み込むことで、ユーザーは自然言語で質問や操作を行えるようになります。これにより、ユーザーエンゲージメントが高まり、サイト滞在時間が長くなる可能性があります。
- コスト削減: 顧客対応の自動化により、人手によるカスタマーサービスやFAQのコストを削減できます。24時間365日対応も容易になります。
- パーソナライズとデータ収集: ChatGPTはユーザーの質問や行動に対して個別対応が可能です。さらに、この対話データは分析に利用することができ、サービス改善の方向性を得られます。
- 多言語対応による市場拡大: ChatGPTの多言語対応能力により、海外市場への進出が容易になります。
- プラグインとの連携: 既存のサービスやサードパーティのプラグインと連携させることで、機能を拡張し、より多角的なサービス提供が可能です。
4.活用アイデア
ChatGPTをWebサービスに実装した場合の具体的な活用シーンをいくつか詳述します。
(1) ECサイトでの顧客サポート
ECサイトにおけるChatGPTの大きなメリットは、顧客対応業務の効率化です。
- 商品選びに関するQ&A:「このワンピースは私の体型で着れますか」などの質問に最適なアドバイスを。
- 商品スペックの説明:スーツの生地や着心地など商品スペックの説明を分かりやすく。
- 返品や保証に関する問合せ:返品ポリシーや保証内容などを回答。
- 24時間対応の実現:問合せ時間に関わらず迅速かつ正確に対応できる。
このように、ChatGPTなら顧客対応業務を24時間自動化でき、顧客満足度の向上が期待できます。
(2) ニュースサイトの記事推薦
記事に関連したコンテンツをChatGPTが推薦することで、以下が可能になります。
- 記事への理解を深める関連記事の表示
- あわせて読むと理解が深まる過去記事の提示
- 未読関連記事への誘導による滞在時間の延長 など
質の高いレコメンドが可能になり、メディアの持つ価値を最大化できると思います。
(3) 学習プラットフォームでの活用
学習サービスにChatGPTを実装すれば、以下のような学習サポートが可能になります。
- 個別最適な説明文章の生成
- 複雑な概念の平易な解説
- ユーザーの理解度に合わせたステップバイステップの解答
- 学習意欲を高める会話形式の解説
質問に対する回答の自動生成は、学習効果と経験を大きく向上させることができると思います。
このように、ChatGPTはアイデア次第で、様々な形でWebサービスに実装可能で、大きな可能性を秘めていると考えられます。
5.活用時の注意点
ChatGPTをWebサービスで活用する際の主な注意点は以下の通りです。
・個人情報保護
ChatGPTが扱う個人情報の取り扱いには細心の注意が必要です。データ漏洩につながる恐れもあり、セキュリティ対策は必須です。
・カスタマイズの必要性
汎用AIであるChatGPTには自然な限界があります。目的のサービスに合致した会話能力を実現するには、適したプロンプト開発やfine-tuningなどのカスタマイズが欠かせません。
・API使用コストの検討
ChatGPT APIの使用には従量課金制の費用が発生します。リクエストトラフィックに応じてコストがかさむため、許容範囲の見極めと課金体系の理解が重要です。コストパフォーマンスの最大化が課題となります。
特にChatGPT-4は3.5-turboと比べて高額となりがちなので、どのモデルが自社のサービスの価値を発揮できるか綿密な検証が必要になります。
ChatGPTの能力は高いものの、これらの点に留意し活用することが大切です。
6.まとめ
様々な課題もありますが、自然言語を理解して、発することのできるChatGPTは、これまでのシステムでは実現できなかったユーザー体験を生むことのできるWEBサービスの開発が可能になります。
好む好まざるに関わらず、今後AIは着実に高性能化し様々な分野での活用が進んでいくのは、ほぼ確実だと考えております。
Count Leadは率先してAIをサービスに取り入れていくための研究、検証を今後とも進めていく予定です!